風になったアナタへ
1997年・冬(リンとの別れまで残り約7ヶ月)

~日本へ一時帰国~

大学生活最後の冬休み、私は格安の航空チケットを手に入れ、10日間ほど日本へ帰ることにした。

「最後の冬くらい、ここに居れば良いのに」

リンは不満そうだった。

「だって、一人で新年を迎えるのが、どれだけ空しいかは去年の冬に学習したもん」

私も不満そうに言った。

「だから、私の家に来ればいいじゃない! どうせ私とママと犬2匹しか居ないわけだし。去年だって誘ったのに来ないんだもん」

そう言ってリンは少し拗ねた。

「え? お父さんやお兄ちゃん達は?」
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