風になったアナタへ
1998年・初夏(リンとの別れまで残り約2ヶ月)
~リンと私は前世も一緒~
風が夏の匂いに変わっていた。
ある週末、リンが私のアパートへワインを1本持ってやって来た。私は私で、リンの家に届けようとロールキャベツを煮込みながらシフォンケーキを焼いていた。
「私ね、ケーキが焼きあがったらリンの家に行こうと思ってたの!」
「ホント? 以心伝心ね!」
結局、そのまま私の家で一緒に食事をすることになった。
食事を終え、私たちはワインを飲み、ケーキを突付きながら、たわい無い会話を楽しんでいた。
「昨日ね、ママと色んな話をしてた時に、もし自分が植物人間になったら、って話になったの。で、私はママにお願いしておいた。万が一、私が植物人間になったら、生命維持装置なんて要らないって。全ての臓器は提供するってね。葉月ならどうする?」
私は少し考えてから答えた。
「私が植物人間になったら、私も自分の臓器の提供には賛成だけど、でも自分が残される家族の立場だったら、生命維持装置を付けてでも生きていて欲しいって思うかも」
私の発言にリンも少し考えてから、しかし今度は確信に満ちた声で言った。
ある週末、リンが私のアパートへワインを1本持ってやって来た。私は私で、リンの家に届けようとロールキャベツを煮込みながらシフォンケーキを焼いていた。
「私ね、ケーキが焼きあがったらリンの家に行こうと思ってたの!」
「ホント? 以心伝心ね!」
結局、そのまま私の家で一緒に食事をすることになった。
食事を終え、私たちはワインを飲み、ケーキを突付きながら、たわい無い会話を楽しんでいた。
「昨日ね、ママと色んな話をしてた時に、もし自分が植物人間になったら、って話になったの。で、私はママにお願いしておいた。万が一、私が植物人間になったら、生命維持装置なんて要らないって。全ての臓器は提供するってね。葉月ならどうする?」
私は少し考えてから答えた。
「私が植物人間になったら、私も自分の臓器の提供には賛成だけど、でも自分が残される家族の立場だったら、生命維持装置を付けてでも生きていて欲しいって思うかも」
私の発言にリンも少し考えてから、しかし今度は確信に満ちた声で言った。