風になったアナタへ
「でも、植物人間になったら自分でトイレにも行けないわけでしょ。話すことも出来ないし、笑うことも泣くことも出来ない。そうなったら、その肉体は私の肉体としての価値が無いと思う。ただ心臓が動いてるだけで生きてるって言える? そんなの魂は死んでるも同然だとは思わない?」

そう言ってリンは、煙草を吸おうとした私に火を点けてくれた。私は煙草を吸いながら、

「ねえ、生まれ変わりって信じる?」

と宙を見ながら質問で返した。しばらく考えてからリンは、

「葉月が信じるなら私も信じる」

と真面目な声で言った。
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