風になったアナタへ
こちらへ向かってくるリンもパトリシアも満面の笑みだ。ドアが開く。まるで、そのドアが魔法のドアだったかのように、そこからの時間の流れは何倍にも加速した。専ら私は通訳に徹することになったのだが。
食事を済ませると、私たちはリンの家に招待された。私の母が人形師ということもあり、パトリシアと私の母は、お互いの創作の世界に興味を抱いているようだった。
パトリシアは今までに創った美しいキルトを次々に見せてくれた。彼女の創るキルトは単なるキルトでは無く、布と布のグラデーションを巧みに組み合わせ、一枚のキルトが一つの風景だったり、花畑だったりする。
一方、私の母は、布で人形を創り出す。顔も肢体も服も靴も全て布で、私が小さい頃に来ていたシャツが、小さな人形のワンピースになっていたりする。大きさも手の平に乗るサイズから身長が1メートル以上もあるサイズまで様々だ。
私の母は、リンへのプレゼントとして持参していた背丈が20センチほどの着物を着た女の子の人形をリンに手渡した。リンもパトリシアも悲鳴にも似た感嘆の声をあげ、心から喜んでくれた様子だった。
布の芸術という共通の世界に、言語は不要らしく、いつのまにか母親二人は互いに、ただただ微笑み合い頷き、私とリンは、そんな二人を見て幸せな気持ちなり、そしてまた私たちも、ただただ微笑み合うのだった。
食事を済ませると、私たちはリンの家に招待された。私の母が人形師ということもあり、パトリシアと私の母は、お互いの創作の世界に興味を抱いているようだった。
パトリシアは今までに創った美しいキルトを次々に見せてくれた。彼女の創るキルトは単なるキルトでは無く、布と布のグラデーションを巧みに組み合わせ、一枚のキルトが一つの風景だったり、花畑だったりする。
一方、私の母は、布で人形を創り出す。顔も肢体も服も靴も全て布で、私が小さい頃に来ていたシャツが、小さな人形のワンピースになっていたりする。大きさも手の平に乗るサイズから身長が1メートル以上もあるサイズまで様々だ。
私の母は、リンへのプレゼントとして持参していた背丈が20センチほどの着物を着た女の子の人形をリンに手渡した。リンもパトリシアも悲鳴にも似た感嘆の声をあげ、心から喜んでくれた様子だった。
布の芸術という共通の世界に、言語は不要らしく、いつのまにか母親二人は互いに、ただただ微笑み合い頷き、私とリンは、そんな二人を見て幸せな気持ちなり、そしてまた私たちも、ただただ微笑み合うのだった。