風になったアナタへ
1997年7月17日
~留守電~
金曜日だった。思ったよりも図書館でのリサーチに時間がかかり、家へ帰ったのは午後8時頃だった。
昼過ぎから図書館に居たせいか、帰宅した時には、ひどく疲れていた。薄暗い部屋の中で留守電のランプが点滅していた。再生ボタンを押す。
「もしもし、私。リンだけど。あなたのお母さんが来た時は、本当に楽しかったぁ……。じゃ、またねっ」
午後3時半頃に録音されたことを知らせるメッセージが流れた。
『飲みに行こう』なんて誘いじゃなくてホッとした。週末は家でのんびり過ごしたかった。リサーチのついでに図書館から借りてきたエゴン・シーレの画集を誰にも邪魔されずに眺めたかった。リンには月曜にでも電話をしよう、そんなふうに考えながら、まだ何も知らない私の週末は穏やかに過ぎていった。
昼過ぎから図書館に居たせいか、帰宅した時には、ひどく疲れていた。薄暗い部屋の中で留守電のランプが点滅していた。再生ボタンを押す。
「もしもし、私。リンだけど。あなたのお母さんが来た時は、本当に楽しかったぁ……。じゃ、またねっ」
午後3時半頃に録音されたことを知らせるメッセージが流れた。
『飲みに行こう』なんて誘いじゃなくてホッとした。週末は家でのんびり過ごしたかった。リサーチのついでに図書館から借りてきたエゴン・シーレの画集を誰にも邪魔されずに眺めたかった。リンには月曜にでも電話をしよう、そんなふうに考えながら、まだ何も知らない私の週末は穏やかに過ぎていった。