風になったアナタへ
写真には小さいリンの愛くるしい笑顔が沢山あった。ケラケラと、小さなリンの声が聞こえてくるようだった。友達に囲まれ、家族に囲まれ、少しずつ大人の顔に成長していくリンを写真で追うことは、私の心を癒すのにも最適な方法だった。『癒す』と言うよりは最も手っ取り早い『現実逃避』だったのかもしれない。
私とパトリシアは、時に沈黙となりながら、時に吹き出しながら、時に微笑みあいながら、そして時に肩を抱き合い励ましあいながら、写真の整理を進めた。
「大きくなってからは、あの子、写真が大嫌いでね。だから、大きくなってからの写真が少ないのよ。特に最近のは全然……」
「ええ。知ってます。私が写真のクラスのプロジェクト用にお願いした時も、ダメって言われて、何度頼んでも頑なに拒否されたもの」
無理にでも撮っておけば良かったと心から後悔した。撮らせて欲しいなんて断わらずに不意に撮ることだって出来たはずだ。
「でもね、この写真なんだけど……」
私とパトリシアは、時に沈黙となりながら、時に吹き出しながら、時に微笑みあいながら、そして時に肩を抱き合い励ましあいながら、写真の整理を進めた。
「大きくなってからは、あの子、写真が大嫌いでね。だから、大きくなってからの写真が少ないのよ。特に最近のは全然……」
「ええ。知ってます。私が写真のクラスのプロジェクト用にお願いした時も、ダメって言われて、何度頼んでも頑なに拒否されたもの」
無理にでも撮っておけば良かったと心から後悔した。撮らせて欲しいなんて断わらずに不意に撮ることだって出来たはずだ。
「でもね、この写真なんだけど……」