風になったアナタへ

何も考えずに誰かに泣いて抱きつけたら、どんなにか楽だろう、と思う時がある。でも結局は出来ない。そんなこと、自分には似合わないと思う気持ちが、そんなことをしてはいけないという気持ちに変わってしまうのだ。

そんな時どうするかといえば、私は一人で泣く。お風呂場で泣くこともあるし、ソファの隅に座って膝を抱えて泣くこともある。ベッドに潜り込んで泣くこともある。それもシクシクなどという泣き方ではなく、息が出来なくなるほど、しゃくりをあげて疲れ果てるまで泣き続ける。そうすることで、私は、自分の心の温度を平熱に保っていられるのだ。