風になったアナタへ
その手紙の最初の半分には、リンがアメリカに来た日から、リンのメモリアルサービスを終えるまでの事が愛情に溢れたパトリシアの言葉で書かれていた。そして、残りの半分には、悲しみを共に乗越えた周囲への感謝の言葉と、パトリシア自身の近況が報告されていた。時間のある時にはガーデニングを楽しんでいること、最近アンティークのグラスに興味を持っていること、いつの日にかリンの臓器を受け取った人に会いたいと思っていること、そしてこのクリスマスをパトリシアは二人の息子と共に過ごす予定でいることが書かれていた。
私は自分だけが悲しみから抜け出せずに、周囲から取り残されているような感じを覚えた。私は自分の弱さを恨みながら、パトリシアからのクリスマスカードを開いた。
「あなたが今日までには落ち着いていることを願っています。あなたの存在に感謝しつつ。パトリシアより」
全てが当然であるかのように、街にはクリスマスソングが流れ、ケーキ屋さんには人が並び、スーパーのレジ付近には子供用のシャンパンが並んでいる。テレビを付ければニュースキャスターの後ろにまでツリーが飾られていた。私は、それらの風景を冷めた目で眺めながら、パトリシアに感謝されるようなことは何もしていない自分を恥じ、責めた。
私は自分だけが悲しみから抜け出せずに、周囲から取り残されているような感じを覚えた。私は自分の弱さを恨みながら、パトリシアからのクリスマスカードを開いた。
「あなたが今日までには落ち着いていることを願っています。あなたの存在に感謝しつつ。パトリシアより」
全てが当然であるかのように、街にはクリスマスソングが流れ、ケーキ屋さんには人が並び、スーパーのレジ付近には子供用のシャンパンが並んでいる。テレビを付ければニュースキャスターの後ろにまでツリーが飾られていた。私は、それらの風景を冷めた目で眺めながら、パトリシアに感謝されるようなことは何もしていない自分を恥じ、責めた。