風になったアナタへ
「こんにちは。もちろん覚えていますとも。どうしているかしら、とあなたの事を度々考えていたわ。

もちろん一緒に食事をする事には大賛成よ。この町に居る間、泊まる場所が必要なんじゃないの? もし良ければ遠慮無く我が家へ泊まってちょうだい。

私は今、化学療法を受けながら癌と闘っていますが、元気にしているわ。リンの犬も私の犬も元気にしています。あなたに会えるのを楽しみにしています。パトリシア」

癌で、しかも化学療法を受けているのに元気などということが有り得るのだろうか。パトリシアが癌であるということを知らなければ、リンが人生の大半を過ごした家に泊まらせてほしいと、私のほうから頼んでいたに違いない。とにかく会ってから、その時の状況を見て判断しようと思った。
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