風になったアナタへ
2003年2月某日(リンの死後4年7ヶ月)
~懐かしのプルマン~
仕事仲間、総勢十四人でロスに到着した。カリフォルニアらしいキラキラした太陽が私達を迎えた。テーマパークやアウトレット、海岸線のドライブ、有名レストランでの食事など、充実した日程を組まれた四日間は瞬く間に過ぎた。
ロスでの最後の晩、私は同室だった女の子に、三十歳の誕生日の直後に彼と別れたことを話した。彼に会いに行くための貯金をこの旅で使い切る旨を笑いながら話すと、彼女は、
「大事な気持ちが沢山詰まった大切なお金だよね」
と、涙目で言った。その彼女の言葉に、私は不覚にも涙を零した。彼と別れてから一度も泣かなかったのに、彼女の心からの温かい言葉が、私の凝り固まっていた気持ちを瞬時に溶かしたのだ。ティッシュを差し出す彼女の姿の中に、一瞬だけリンを見た気がした。
ロスでの最後の晩、私は同室だった女の子に、三十歳の誕生日の直後に彼と別れたことを話した。彼に会いに行くための貯金をこの旅で使い切る旨を笑いながら話すと、彼女は、
「大事な気持ちが沢山詰まった大切なお金だよね」
と、涙目で言った。その彼女の言葉に、私は不覚にも涙を零した。彼と別れてから一度も泣かなかったのに、彼女の心からの温かい言葉が、私の凝り固まっていた気持ちを瞬時に溶かしたのだ。ティッシュを差し出す彼女の姿の中に、一瞬だけリンを見た気がした。