風になったアナタへ
ただ、私の心の平熱は、おそらく多くの人のそれとは違うのだろう。それが、人よりも低いのか熱いのか、私には分からない。また、それのどちらかが、良いとか悪いとかも分からない。しかし、心の温度、つまり、心の平熱が近い人というのは、ちょっと付き合えば、すぐに分かるもので、そういう人間と共有する時間は本当に心地よい。

私が辛い時に、私を放っておくことができる人、でも私が高い波にさらわれそうになった時には、ちゃんと私を捕まえていてくれる人。リンは、私にとって、まさしく心の沸点も融点も理解しあえる存在であり、そして本当の強さの意味を私に教えてくれる存在になっていった。
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