風になったアナタへ
翌朝、ロスの空港で日本へ帰る皆を見送り、私は一人でシアトルへ向かった。学生時代の友人が空港まで迎えに来てくれており、私は四年半ぶりにシアトルの町を友人の車から懐かしい気持ちで眺めた。カリフォルニアと違って空気は澄み切って冷たかった。

その翌々日、私は友人と二人でシアトルからスポケーンへ飛んだ。もしかすると雪かもしれないと危惧していたが、スポケーンは予想外に温かく、学生生活を送ったプルマンまでの、およそ百キロの道のりを私と友人はレンタカーで走った。
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