先生
「てっちゃん、約束覚えてるの?」
「え……何が?」
ニッコリとあたしに笑いかけてくる。
でも今一瞬固まった。
ヤバイって顔した。
消毒液を戻そうとてっちゃんの背中に話しかける。
「ねぇ、それって有効?
あたし、いい女になれてる?」
「なんのことかわかんねーよ」
……シラきるんだ。
そりゃ先生だし、答えられないか。
でもさぁ、あたしだってもう待てないんだよ。
嫌なの。
この生ぬるい感じ。
だから答え出してよ。
「ねぇ、てっちゃん」
「なに?」
「あたしのこと好き?」
そう聞いたあたしに消毒液を棚に戻すのを止めて、あたしの方を見る。