先生
「そうじゃなくて、てっちゃんのことを先生じゃなくて、
1人の男の人として好きなの」
「それは――…」
「気の迷いとかそんなんじゃないから。
あたしはただ純粋にてっちゃんが好きなの。
今のてっちゃんの気持ちを聞かせてよ。
あたしは振られて逆恨みするような性格じゃないし?
だからはっきり言って。
今てっちゃんの思ってること」
あたしが言った言葉にてっちゃんは少し悩んで口を開く。
「さっきも言ったけどオレは池田のこと、好きだよ?
でもオレにとって池田はやっぱり生徒なんだ。
そういう目線で見てたしな?
って振っといて悪いけど、池田に好きって言ってもらえたことは普通に嬉しいよ」
あたしの頭に手をのせる。
これはてっちゃんの癖。
慰める時も、
褒める時も、
何をする時も頭に手をのせて何かするのはてっちゃんの癖。