先生
「沙妃先帰ってて。
オレちょっと頭冷やしてく」
「あ、うん…」
やっぱり告白を断ったわけだし、
なんとなーく空気が気まずくて歯切れが悪くなる。
ちょ、早く帰ろ。
そう思って家に向かおうとしたとき後ろから皇に声をかけられる。
「沙妃ー
オレ明日からも沙妃の幼なじみだから。
変な行動とんなよー」
これが皇のいいとこだよね。
真っ直ぐで、曲がってなくて。
「当たり前じゃん!
もし好きなコができたら教えなよー
協力するから」
「おー」
そう言ってやっぱり笑顔を向けてくれて。
曲がってなくて、真っ直ぐで。
皇、好きになってくれてありがとう。
応援してくれてありがとう。
真っ直ぐで曲がってない皇に見送られて、
あたしは帰り道を1人真っ直ぐ歩く。