雪花
はじまり
 相馬からの手紙を、言葉を、胸に、教室に戻った。

「あっ、響さん、来た~。どうしたの?心配してたんだよ」

「え?」

 教室に戻るなり、隣の席の飯田さんに声をかけられた。

「そうそう」

 飯田さんを囲んでいた二人も頷く。

「先生に相馬くんの事いろいろ聞いてさ、みんなで何か贈りたいねって話してたんだ」

 私に話しかけている。今まで、こんな事なかった。

「響さんさ、相馬くんと仲よかったみたいだから。一緒にやってくれる?」

「…え?私?」

「うん」

 飯田さんも、他の二人も「一緒にやろう」と言ってくれる。
 断る理由なんてない。

「ねぇ、お昼食べながら話そうよ。響さんも一緒にさ」



 臆病な私を変えるチャンスを、相馬がくれた。


 人の気持ちなんて、わかんない。
 だけど、相馬が、こんな私に憧れてたんなら、私だって自分を好きになりたい。

 人の気持ちなんて分かんない。だって、私は私だから。

 だけど…怖いけど、受け入れてみよう。
 大丈夫、相馬は大丈夫だったんだから、他の人だって、きっと大丈夫。







< 14 / 17 >

この作品をシェア

pagetop