雪花
「じゃあさ、アルバムで決まりね」

「楽しそ~」

「なんか、ワクワクするね」

 相馬には、クラスのみんなのメッセージ付きアルバムを贈ることに決まった。

 みんなには、メッセージを書いてもらって、私たち4人でアルバムを作る。






 写真もメッセージも集まり、アルバムもほぼ完成した。

「あとは、響さんだけだよ」

 悩んだ末に書いたメッセージは、
『うぬぼれんな、バーカ。悔しかったら、早く帰ってこい』
 という、可愛げの欠片もないものだった。

「それでいいの?」
 と、飯田さんにも驚かれたけど、なんて書いていいかわからない。

「でも、響さんておもしろいんだね」

「そうかな?」

 飯田さんは、少し真剣な顔をして言った。

「でも…相馬くん、大丈夫かな?先生が成功率が少ないって言ってた…」

「帰ってくるよ」

 自然と言葉が出た。希望とか、願いとかじゃなく、素直にそう思える。
 彼からの手紙の最後に書かれていたのは、別れの言葉なんかじゃなく『またな』という、再会を約束する言葉だった。


「な~んか、素敵な関係だね」








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