雪花
エピローグ
 あれから、2回目の冬を迎えた。

 相馬はいない。
 連絡もないし、してない。

 最近、急に冷えてきた。そろそろ雪が降ってくるだろう。

 雪の季節になると思い出す。
 高校1年の冬。
 相馬がいた、僅かな時間。
 二人で見た雪花。

 相馬がいなくなって、私は変わった。
 今の私には友達がいる。

 だけど、雪は嫌い。
 思い出すから。相馬と別れた日を。





 小さな白い塊が私の前を落ちていった。

ーー雪だ

 はらはら、と降る。
 花びらが散るように舞う。

 一人で見る雪は、嫌い。
 寂しくて、会いたくなる。

 今もアメリカでがんばってるのかな?

 いつも笑ってた。
 それが、簡単な事ではないと、今ならわかる。
 それと同時に、相馬は不安も抱えていただろう。いつどうなるか分からない、それがどれだけのものか私には分からない。


 あれから2年たった今でも、私の心に相馬はいて、いつだって私に勇気をくれる。


 でも、やっぱり…

「雪なんて、嫌い…」


「まだ、そんな事言うてるん?」


ーーえ?


「ラッキーやな。こんな早く再会できるなんて」

ーードクンッ

 懐かしい声。
 期待が胸に湧く。





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