掻き鳴らせ、焦燥。〜春風に舞う〜
「はあ? 今はとくに……」
「君もったいないよねぇ。いい音出すのに」
「ああ……ありがとうございます」
「あのさ、君このあと時間ある?」
「はぁ?」
「いや、おじさん怪しくないからね。いちを、ここのオーナー兼店長だし」
逆に怪しいですよってくらいの笑顔で、何やらカウンターについた引き出しを「どこいったっけなぁー」なんて云いながらあさっている。
もしかして、アッチ系の人だったらどうしよう……