掻き鳴らせ、焦燥。〜春風に舞う〜
はい……?
今、……リーダーって?
最後の「安心して」が、別の意味で不安になってしまった。
「このバンドのリーダーってナオヤさんなんですか? アキトさんじゃなくて?」
「そーだよん。オレ、リーダー! 一番エライのっ。だから、オレがハルちゃんがイイって云ったら、誰にも文句は云わせないのさっ」
「そういうことだから」
アキトさんが僕の心の中を見透かすように、苦笑いしながら云った。