あなたが一番欲しかった言葉
「イサム君、今日はまた一段と混んでるねぇ」

結城さんは、グラスの中の丸い氷をくるくる回しながら話しかけてきた。

「ええ、最近ずっとこんな感じなんです。
先月までは結構暇な日が多かったんですけど、どうしちゃったんでしょう。今日なんて、給料前の火曜日なのに、週末並みの入りですよ。なあ、ヨシキ?」

聞こえなかったのか、ヨシキは額に汗を浮かべ、黙々とシーザーサラダの盛り付けに奮闘している。
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