あなたが一番欲しかった言葉
10年後・・・2007年4月
----10年後-----
「おお、雪か。
こんな時期に珍しいな。
今夜の歓送迎会に影響が出んといいがな。わっはっは」
窓の外を見下ろしながら、恰幅のよい部長が豪快に笑う。
4階のオフィス。
ワンフロアの広いスペースを、各課ごとに細かくパーテーションで仕切ってある。
この総合商社が、現在の僕の会社だ。
雪?こんな時期に・・・。
パソコンに向かってキーを叩く手を休めて、窓辺へと歩み寄った。
一面ガラス張りの窓に、淡いみぞれ交じりの雪が落ちて、溶けてゆく。
あの時も、たしかみぞれ交じりの雪が降っていた・・・。
「田口芳樹クン、何をぼんやりしているのですか~」
はっと我に返って、振り向くと隣のデスクの後藤宏美が、後ろに組んで笑っている。
「おお、雪か。
こんな時期に珍しいな。
今夜の歓送迎会に影響が出んといいがな。わっはっは」
窓の外を見下ろしながら、恰幅のよい部長が豪快に笑う。
4階のオフィス。
ワンフロアの広いスペースを、各課ごとに細かくパーテーションで仕切ってある。
この総合商社が、現在の僕の会社だ。
雪?こんな時期に・・・。
パソコンに向かってキーを叩く手を休めて、窓辺へと歩み寄った。
一面ガラス張りの窓に、淡いみぞれ交じりの雪が落ちて、溶けてゆく。
あの時も、たしかみぞれ交じりの雪が降っていた・・・。
「田口芳樹クン、何をぼんやりしているのですか~」
はっと我に返って、振り向くと隣のデスクの後藤宏美が、後ろに組んで笑っている。