あなたが一番欲しかった言葉
「ちょっとそこのあなた!」

大声で言い放つと、一人の女性レポーターを指差して答えた。

「さっきのあなた。離婚するかですって?するはずがないじゃないですか。失礼な。何で僕が離婚するんですか。
何度も言いますがね、僕は真梨子さんに対して、これっぽっちの恋愛感情も抱いたことはありませんよ。
彼女の妊娠ですって?どうして僕が知ってるんですか。知るわけがないでしょう」

逆切れとはこのことだ。

柳田は顔を真っ赤にし、咆哮飛ばしながら反撃をしている。

椅子が後ろに倒れるほど、勢いよく立ち上がったかと思うと、まだ質問をしてくるリポーターを無視し、マネージャーの制止まで振り切って、柳田は会場を後にした。
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