あなたが一番欲しかった言葉
「バイトの若造が、仕事中にへらへら大声で笑ってんだから、これじゃ客なんて入るわけねーよな」

「やめましょうよ、社長。たしかに俺もうるせえなって癇に障りましたけど、放っておけばいいんですよ。もうこんな店に来ることはないんだし」

「そうよ。もう帰りましょうよ、剛さん、飲みすぎよ。明日早いんでしょう」

部下と、社長の彼女は、といった感じだった。

「バイトだからってよ、お遊び気分で働いているやつを見るとむかつくんだよ。誰かがガツンと言わなきゃ、こいつからは分かんねーんだよ。
店長はどこにいる?店長を呼んで来い!

店長は今日休んでおり、店は我々バイトだけしかいなかった。
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