あなたが一番欲しかった言葉
どうしたらいいんだろう・・・?

足がガタガタ震え出した。
脇の下が不快な汗でびっしょりになっている。

何か言わなきゃ、でも、何を言えばいい?

「申し訳ございませんでした!」

大きな声に振り向くと、イサムが男性に向かって深々と頭を下げていた。
慌てて、僕も同じように頭を下げながら、「店長は本日あいにく休みを取っております」と目を見ずにつぶやいた。

「休みだぁ?じゃあこの店はおまえらバイト3人だけでやってんのか?」

社長は目を見開き、おどけるようにして、隣の部下を見遣った。
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