‐恋は唇で嘘をつく‐【激甘短編】
「っ…ゃ……ぁ!!」
息吐く間も与えない、一方的に求めてくる激しいキス
いくら経っただろうか
酸欠でクラクラしてくる頃、ようやくクラが私の唇を開放する
「はっ……」
クラはそのまま立って植物園を後にした
「………」
クラ…なんであんな表情…
今にも泣きそうだった
私は知らずのうちに、涙をどんどん溢れさせては流していた
「好き………」
私を残して、静かに樹々が揺れる植物園に私の呟きが響いた