携帯のきせき
「ど、ど、どおしよおおおー・・!」

放課後、キコとあたしだけの教室の中でいつも以上にてんぱってるアタシ。

そう・・。補習の存在をすっかり忘れていたのだ・・。

「ッたくー・・・もう少し遅い時間にすればよかったのに。」
時計の針はもうすでに4時半を指していた。

「キコおおおー・・・どうしよう??」

半分涙目になるアタシにキコはあきれた様子。

だって補習さぼったらまた明日から補習追加になっちゃう・・。

でもだからと言ってケンジクンとの約束、破りたくもない。

一人であたふたしてるアタシを見かねてか、キコはため息をついた。

・・・・うえーん・・。

「先生にアタシが言っておいてあげるよ。優奈は家の用事でどうしてもかえらなきゃいけ

なくなっちゃったって。明日に補習が延期になるくらいなら別にいーでしょ??」

ねぜか一気に涙があふれた。

ほんと・・・キコはアタシの神様だよおうっ・・!!

「ありがとおおー」

顔をぐちゃぐちゃにしてお礼を言ったあたしにキコは若干・・
引いてた。

「その顔どーにかしないと・・ケンジクンに逃げられるよ??

元はかわいいんだからさ。

まあケンジクンがぶちゃいくだったら意味ないか。」

キコは笑ってあたしの顔と髪の毛を整えてくれた。

「ありがとキコ!!!

じゃあ・・・行ってくるね!!」

時計をみると、すでに5時近くになっていた。


「はいよー!急がないと遅刻だぞッ。

襲われそうになったら電話してねー★」

お、襲われる!?!?

「ケンジクンはそんなことしないもんッ。」

アタシはボソッとキコに返事を返し、全速力で公園へと急いだ。


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