あたしの似顔絵
 男子は腹を抱え、馬鹿にするように笑っている。

 あたしやクロカワさんだけではなく、カラーボールをかわせなかったハナダさんに対してのあざけりもその笑いの中に含まれている気がした。

「ごめん……」

 あたしは心を込めてハナダさんに謝った。

 敵に回したくないという気持ち以上に、本当に悪いと思ったのだ。

「いいよ、わざとじゃないもんね……」

 ハナダさんは確かにそう言って薄く笑ったが、みけんに深いシワを刻み、目は血走っていた。

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