あたしの似顔絵
「どっ、どういうこと? ねっ、ねぇ。ねぇったら」

 焦って話しかけたが、無視された。

 どうしようもなかった。

「あっち行ってよササカワさんくさいよ、あんたお風呂入ってる?」

 友達のひとりが自分の鼻をつまみ、目の前の空気を手で払った。

 それまでずっと、ゆうちゃんと下の名前で呼んでくれていたのに。

 あたしは呆然と突っ立ったまま、周囲を見回した。

 そして袋小路に追い込まれているような自分の立場に気づいた。

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