あたしの似顔絵
 最初、バカなあたしは差し出された手の平に乗る芯を見つめたままになった。

 クロカワさんでなければ、ありがとうと素直に受け取っていただろう。

 でもクロカワさんの持っている物は、本当には汚くないのに、汚いと言わなければならない、そう思わなければならないという残酷な空気が生徒の間にまん延していたのだ。



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