ヒミツの悪魔くん

あたしの持ち上げた鞄が、グイッと引っ張られた。



その犯人はもちろん星。



「…何よ」



冷たく投げかけたあたしの言葉に、星は意外にも笑顔を見せた。



「!!」



なんなのよ、こいつ。


何考えてんのか良くわかんない…。




そんなことを思ったとき、サッと私の目の前にメモが差し出された。




「いつでも、電話してきなよ。もちろんメールでもOK♪」



それは、アドレスとケータイ番号が書かれたメモだった。




「い…意味わかんない。掛けるわけなんてないじゃない」

「ううん、掛けてくるよ。あさは」

「!!」




な…なんでこんなに自信満々に言うの?



「ぜ…絶対に掛けないんだから」

「楽しみにしてる」

「~~~~っ」




思えばこの時から、



ううん、出会ったときから。




あたしは星のペースに巻き込まれっぱなしだった…。






< 15 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop