ヒミツの悪魔くん
あたしの持ち上げた鞄が、グイッと引っ張られた。
その犯人はもちろん星。
「…何よ」
冷たく投げかけたあたしの言葉に、星は意外にも笑顔を見せた。
「!!」
なんなのよ、こいつ。
何考えてんのか良くわかんない…。
そんなことを思ったとき、サッと私の目の前にメモが差し出された。
「いつでも、電話してきなよ。もちろんメールでもOK♪」
それは、アドレスとケータイ番号が書かれたメモだった。
「い…意味わかんない。掛けるわけなんてないじゃない」
「ううん、掛けてくるよ。あさは」
「!!」
な…なんでこんなに自信満々に言うの?
「ぜ…絶対に掛けないんだから」
「楽しみにしてる」
「~~~~っ」
思えばこの時から、
ううん、出会ったときから。
あたしは星のペースに巻き込まれっぱなしだった…。