ヒミツの悪魔くん
「凛子さんが死んだ後も信じられない、ううん…信じたくない様子だった。それほど、凛子さんの事が好きだったんだと思う。だから、星への態度が変わったんだ」
星への…態度?
「凛子さんが生きていた頃は、星を見守り、守って、まるで本当のお父さんみたいだった。けど亡くなった後は星を自分に縛り付けた。後を継ぐ意思のない星に経済学とかを学ばせ友達や大切な人を…誰にも邪魔されないように星から奪った。」
「!!………酷い」
「星がほんとに孤独になって…笑わなくなっていくのをオレは見ているしか出来なかった。でも分かったんだ。父さんは怖かったんだ」
「……っ」
「凛子さんが亡くなって、凛子さんの血を引く星まで失うのが。だから自分の側を離れないように縛りつけた」
「でも、そんなのー」
「うん、父さんのエゴ」
「………」
「…明日香も縛り付ける道具の一つだよ。明日香は財閥の令嬢なんだ。経営に協力の政略結婚」
そんな、明日歌さんの事も?
酷い…。
「星は嫌になって家を出た。あのマンションは俺がひっそり用意したものなんだ。けど…父さんは諦めていなかった」