ヒミツの悪魔くん
「陸…あの…」
「はい、分かっております。あの女子高生の事ですよね」
「やっぱり。あさはココに居るんだな」
「はい。旦那様のご命令で“少し手荒でしたが連れてきた”と先ほど耳にしたので」
「さすが、陸は仕事早いな」
「星坊ちゃんの事ですから」
2人のやり取りを美緒と裕大は見つめていた。
「ほ…本当に坊ちゃんなのね…」
「…みたいだな」
星と執事を交互に見ながら改めて星が篠原財閥のお坊ちゃんだと実感したのだったー…。
「それより、あさはー…」
「わたくしにも詳しい居場所は…。わたくしは星様の執事なので教えては下さりませんでした。ですが…」
「?」
「奏さまが頻繁に3階のゲストルームに行かれているとか」
「!!!きっとそこにあさが居る」
その言葉を聞いて星が駆けだそうとした瞬間…。
「星坊ちゃん!」
不意に呼ばれた声に星は慌てて振り返った。
「なんだか、素敵になりましたね」