ヒミツの悪魔くん
「え?」
陸の言葉に首をかしげる星。
その姿を見て、陸がクスッと笑った。
「立派に男らしくなったという事です」
「ばか、何言ってんだよ」
…昔はずっと1人で抱えて背負っていけばいいと思っていた。
でも今は違う。
一緒にその荷物を背負ってくれる人達に出会って分かったんだ。
支えるって事、支えてもらうって事。
「このまま階段登ってく?」
玄関を抜けると通路の右手側に階段が見えた。
「…多分、俺を素直にあさの所へは行かせてはくれないだろうな」
「はい、あまり人目につかぬように行動した方がいいかと」
あんまり堂々と入って行って捕まってしまったら元も子もない。
「では、わたくしが少し様子を見てきます。皆様は少々お待ちを」
俺たちは玄関近くの物置に一度身を潜め、陸が様子を見ながら誘導する事にした。