ヒミツの悪魔くん



「傷つけないって約束は出来ないかもしれない。泣かせたくなくても、泣かせてしまうことだってあるかもしれない。けど、俺はそうやってどんなに2人の距離が離れて行きそうでも絶対あさの手だけは離さない。解けそうになったって何度だって握り直して見せる」

「そんな綺麗ごと…」

「綺麗ごとだっていい。俺はあさを見つけてあさも俺を見つけてくれた。その奇跡に比べれば自分次第で変えていける!」

「!」





そうか、あさちゃん。




君は知っていたのかもしれないね。




彼の弱いところも、強いところも。




そしてそんな彼を君は好きになったんだね。




「……」

「…あさはさ、いつだって自分じゃない誰かの為に一生懸命で。だから俺があさを守るってそう思ったんだ」

「…そうか、同じだな」

「へ?」

「行けよ、きっとあさちゃんもお前を待ってる」

「…あ…あぁ!」






貴斗の背中を押す言葉に、星は足早に部屋を出て行った。





「…あさちゃん、本当にサヨナラだね」





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