ヒミツの悪魔くん



「他人のまったく関係のない君に何が分かる」

「確かに、何にも知りません。だけど、少なくとも篠原社長は今でも凛子さんを愛しているはずです」

「だからなんだというのだ」

「篠原社長はまだきちんと凛子さんの死を受け入れきれてない。だから星を手放せなかった。自分に縛り付けた」

「これが星にとって良いことだと思ったまでだ」

「違います!篠原社長は怖いんです、星がいなくなっちゃうと凛子さんがいなくなっちゃうようで」




大切な人を失う悲しみ。



あたしはまだ子供で、全然分かんない…けど…




「でも違います。出会いがあるように別れだってあるじゃないですか。ならもう側に居れないのだとしても篠原社長が完全に忘れたりしなければ、凛子さんは決して消えたりはしないです」




そうだよね、星。




「それに社長は1人じゃない。奏さんと星がいる」





世界で一番分かりあえる。





支え合える人がいる。








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