ヒミツの悪魔くん
「縛らなくったって星も奏さんも篠原社長から離れていくわけじゃない。そして辛い時悲しい時は吐き出せばいい。それが家族だとあたしは思います」
「……」
“社長だって人よ。頼って?家族なんだもの”
ー…凛子、ワタシは“また”忘れていたのか?
大切な事を。
「…皮肉なものだな。こんな子供の言葉で、思い出すなんて」
「…篠原社長」
「年は取ったが子供はワタシか」
今まで怖い顔をしていた篠原社長が小さく笑った。
やっぱり、少し間違えてしまったけど…
きちんと家族思いの人だ。
「…すまないな、星」
「!」
社長の言葉に、扉が半分開いてる事に気づく。
振り向くと、優しく微笑む人影。
「せ…星」