ヒミツの悪魔くん
星はあたしの顔を見るなり怖い形相で近寄って来た。
「あ~さ~?なんでこう、無茶ばっかり…」
「ご…ごめん」
「心配したっつの、ったく」
星がハァと小さくため息をつく。
もしかして、迎えに来て…くれたの?
「あさ~、また会えた~」
「美緒、心配掛けてごめんね」
「ううん、あさが無事なら。けど、来たら来たでなんかえらい事になってるし」
「あ…はは…」
「でもやっぱりあさは凄いや。かっこよかった」
「……そうかな」
あたしが美緒と対面していたら、星が静かに篠原社長に近寄る。
「父さん、俺…」
「…なんだか、久々にお前の顔を見た気がするな」
「な…何言ってんだよ。久々じゃないって」
「そうだな…ワタシが見えていなかっただけだな」
「ー…母さんを、愛してくれてありがとう」
星がそう言うと、篠原社長は優しく笑った。