ヒミツの悪魔くん
「…星、今はきちんと話す時間が必要だと思う。だからあたし達は先に帰るね。…待ってるから、ちゃんと帰ってきなさいよ」
「ー…あさ」
あたしの言葉に、星が駆けよって来た。
「あさ、ありがとな。帰りは陸に送らせるよ、裕大達も」
「まじか」
「こら、裕大」
喜ぶ裕大くんに美緒がすかさず突っ込む。
「…大丈夫、俺が帰るべき場所はあさが居る場所だ」
「…星」
「明日さ、改めて話したい事があるんだけど…時間作って。いや、拒否権なしな」
「何その横暴具合」
「ははっ…ほんとに感謝してるんだ」
星が優しく笑う。
「うん、明日の学校帰りあたしの学校まで迎えに来てね」
「うん、分かった」
そう言って、星があたしの頬をなぞる。
…あたしは気づかないうちに泣いていた。