ヒミツの悪魔くん



「…気をつけて帰れよ」

「う…うん」




怖かったから安心感と同時にホッとしたんだ。



やっと…やっと素直に星の近くに居てもいいのだと。




少しして、部屋に陸さんが顔を見せた。




「では、皆様をお送り致しましょう」

「「「お願いします」」」




陸さんに先導され廊下に出ると、明日香さんが壁際にもたれて待っていた。




「明日香さん」

「…良かったですね。まとまったようで」

「うん」




でも…




「ー…あの…」

「あささん」

「!…はい」




あたしの声に、明日香さんの声が重なる。




そしてあたしに向けて少し悲しげに笑った。




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