ヒミツの悪魔くん
俺の言葉に、父さんが振り向く。
「あ…の、塩崎家との縁談なんだけど…」
「あぁ、その事を話忘れていたな。さっきお嬢さんの方から婚約を破棄してほしいと言われたよ」
明日香…から?
「もともとワタシが勝手に決めたものだからな。破棄って事で話をしたよ」
「えっ…でも商談は…」
「その件は大丈夫だ。奏と改めて婚約をと話になったよ」
「!」
「えっ…はぁ?」
奏が驚きで変な声を発した。
「明日香から?」
「そうだ。お嬢さん直々の推薦だよ」
「………」
「奏…」
その言葉を聞いて、奏が慌てて走り出す。
「ごめん、父さん、星。少し用事が出来たから今日は2人で食べて!!」
「?…奏」
「きっと、明日香のとこだよ」
「…そうか」
走りながら携帯を取り出す。
「どういうことだよ、明日香嬢」