ヒミツの悪魔くん
あたしは美緒に書いてもらった地図を頼りに、星の家に向かった。
地図通り進んだ先に、1つの大きなマンションがあった。
「でかいっつか、高いなぁ」
あたしは見上げながら小さく呟いた。
大きな建物に圧巻されながらも、あたしはハッと思い出す。
「てか、こんなことしてる場合じゃないっての!」
あたしはウシッと気合いを入れて、また前に足を進めた。
「……」
進んだ先に、ロックのかかった扉が聳え立っていた。
「美緒ったら〜、解除ナンバー書いてないじゃない」
ん?
美緒も、そもそも知らないのか?
そんなことより、これじゃあ中に入れないじゃない!
うーんと唸るあたしの頭に、1つの記憶が蘇る。
“いつでも掛けてきていいからね”
…この状況をなんとかすることは出来るけど、アイツの思い通りになるのがシャクだ。
再び唸るあたしに、聞き覚えのある音が届いた。