ヒミツの悪魔くん


「………」

「…あさ?」




顔を両手で隠したまま反応を示さないあたしに、心配そうに声をかける星。





「………い」

「へ?」

「は…はい」




両手を解放すると、自然と涙と声が溢れた。




出会って




繋がって




傷ついて




解けたと思っていた手を




やっと繋ぎ直せた。





「ふぇ…」

「泣くなよ、あさ」

「無理…だよ、嬉しくて」

「ー…うん、俺も」






泣きじゃくるあたしに、星はそっとハンカチを差し出した。





< 205 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop