ヒミツの悪魔くん
第二章-ヒミツの思い-
どれくらいの時が経っただろうか。
テレビも付いていない、音楽もかかってない静かな部屋では心臓の音が微かに聞こえる。
…星も、ドキドキしてるの?
恥ずかしくてうつむいていた顔を上げ、星の顔をゆっくり覗いた。
「…ふっ」
「なっ、なんだよ…」
「だって星、真面目な顔してるんだもん」
「するよ」
ギュッと、握られていた手に力がこもった。
…星?
「するよ、あさが居るだけでどうしたらいいかわかんなくなる」
「せ…」
名前を呼ぼうとした時、あたしの頬に温かな温もりを感じた。
壊れ物を扱うかのように、星があたしの頬を優しく触る。