ヒミツの悪魔くん


その後は何事もなかったかのように、あたしたちはオムライスを頬張った。



美味しくて自然と笑みがこぼれたあたしを見て、星が“あさの方が美味しそう”なんて言うから星の頬を軽くつねった。



“ごめん”と必死に謝る星を見て、あたしはまた笑った。





少しゆっくりした所でご飯も済んだし、あたしは星の部屋を後にした。



送るって星は言ってくれたけど、病み上がりだし気持ちだけもらっておいた。





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帰り際、あさが申し訳なさそうに言った。




「ごめんね、星」

「え?」

「看病って来たのに、あたし結局なんもしてない」




そう言ってシュンとした顔をさせた。




ほんとに、あさは優しいな。





だからそのままで…あさはそのままでいて。




「じゃあ、次は期待してるよ」

「うん、分かった!」



あさの気持ちのいい挨拶に、俺は思わずフッと笑ってしまった。




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