ヒミツの悪魔くん
「あ…あしたさ、あいてる?美緒と裕大くんも誘って買い物なんて行かない?」
思いのほか冷たい感じの星が、“いいよ”なんて言いそうもないなと後から思った。
「……」
星の躊躇か…無言に、言葉のない拒絶に感じた。
「ごめん、やっぱ今の無し…」
「いいよ」
再び声重なる。
けれど今度は突き放す言葉ではなかった。
それだけであたしは嬉しくなってしまうなんて。
「ほんと?じゃあ、2人にはあたしから声掛けとく」
会える、星に久々に会えるんだ。
そう思っただけであたしは舞い上がっていた。
「わかった。あさにもだけど、あいつらにも言わなきゃいけない事だしな。待ち合わせ決まったらメール入れといて」
「?…うん」
電話の時に感じた違和感。
それをあたしは明日知ることになる。