ヒミツの悪魔くん
これから、星との時間が沢山ある。
その中でいつかは“彼女”として隣を歩きたかった。
全部、あたしの独りよがりでしかなかったんだね。
我慢が溢れ出たかのように、あたしは泣き続けた。
「うわぁーん」
ジャリッ…。
あたしの泣き声に混ざり、足音が聞こえた。
「グスッ…ッ」
「女の子に涙は合わないよ」
視界が滲んでいて見えづらかったけど、スラッと背の高い男の子があたしの目の前に立っていた。
「これ、使って」
「あ…っありが…と」
どうしたの?とは聞かないで、男の子はハンカチを差し出した。
聞かないで…くれたのかな。
あたしはその男の子の優しさに甘えるかのように、差し出されたハンカチを受け取った。