ヒミツの悪魔くん
ふと、顔を上げた時だった。
「あれ…あさちゃん?」
「えっ…?」
どこか、懐かしい声。
あたし…この声知ってる。
「あさちゃん、だよね?」
「ー…貴…ちゃん?」
「そう!やっぱりあさちゃんだ!!全然変わってないなぁ」
あたしの顔を見て、優しく笑う男の子。
小学生の頃に、引っ越してしまった幼馴染の貴斗こと貴ちゃん。
すっごく仲が良くて、何をするにも一緒な位仲が良かった。
「久し…ぶりだな」
「うん、何年ぶりだろ」
「……」
いきなり、返答が帰ってこないためシーンと静まり返る。
あたしは思わず貴ちゃんに近づいた。