ヒミツの悪魔くん



それからの美緒はなんだかあたしを心配してだろうか。



学校でも、遊びの時でも“星”の名前を一度も出さなかった。



…正直、あの日あたしを追いかけて来た星について聞いてくるかなって思ってた。



あたし達を心配していてくれた美緒だもの、今回の事を絶対心配してる。




星から何か聞いたのだろうか。





なんだか、あたしも聞きづらくて…。




そのことは未だ聞けないでいた。




貴ちゃんの事を美緒に話したら、小さく“良かった”と言った。




その言葉に、美緒の優しさを感じとれてあたしは聞けなかったのだ。




それからはまるであの数日間が無かったかのようにあたし達はいつもの日常に戻った。




けど、これでいい。




少しずつになるけど、ゆっくり歩いて前に行ける。






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