ヒミツの悪魔くん
女の子達の視線に気づいたのか、いきなりあたしの腕を掴んだ。
「えっ…」
あまりに突然の事で、あたしは固まったままだった。
そしてあたしの意思をまるで無視をするように、彼はいい放った。
「じゃー行こうか」
「ちょっ…」
グイっとあたしの腕を引っ張り、学校を後にした。
後ろで美緒が何か言っていたけど、あまりの驚きであたしの頭は真っ白だった。
学校から少し離れたところで、ハッとして掴まれていた腕を振り払う。
「も…もう!なんなんですか、あなたは」
「あっ、ごめんごめん」
少し機嫌の悪いあたしにお構いなしに、その男は軽く謝る。
ほ…本当に悪いと思ってるのかな。